現代の科学技術は細分化・専門化が進んでおり、今後もそれぞれの専門分野での深化を通じて科学技術は発展するものと考えられます。しかし一方では、細分化・専門化された個別の分野が深化するだけでは十分ではなく、学際融合的な知識や技術を結集して新しい概念や技術を創出し、問題を解決することの重要性も高まってきています。なかでも、人間を対象とする医療分野においては、生理学・心理学・情報通信技術(ICT)・電気電子工学などの広範な専門分野を横断的に融合することによって、更なる発展を図ることが期待されています。
このような時代背景の中で、平成22年度より、医療系の知識を有した情報系・工学系技術者および情報工学系知識を有した高度医療人の育成を目的とする「情報医工学プログラム」が実施されています。これまで、広島市立大学情報科学部からは、平成22年度36名、平成23年度36名、平成24年度46名と多くの学生が受講。受講した学生からは、「進みたい分野が見つかった」「進路の幅が広がった」などの喜ばしい感想が寄せられ医療・情報科学・工学に渡る学際的な人材を育成するための教育プログラムとして着実に成果を挙げています。
平成25年度からは、より実践的な教育を行う「臨床情報医工学プログラム」がスタートしました。本プログラムの充実した実践的教育を通して、医療と情報科学を包含した、広範な領域を見渡し活用できる人材を輩出していきたいと考えています。